企業研修の準備と実施の流れ

研修の依頼先(研修会社)が決まっても油断しない

研修を依頼する研修会社が決まれば後はお任せ・・・というわけにはいきません。

依頼先の決定は最初のステップであって、それからが重要なのです。

研修会社が提示した企画書を基に、研修内容を作りこんでいく作業が待っています。通常は、研修会社の担当者がヒアリングや摺合せの機会を設けながら当日に向けて進捗を管理してくれるものですが、中には数日前になって突然連絡を寄越してくるような、仕事の遅い人も現実に存在します。

こちらでも連絡を待ち続けるのではなく、放置されないように積極的にコンタクトを取りましょう。研修会社の営業担当者は複数案件を抱えているため、「うるさいお客様だ」と思われた方が優先的に対応してもらえると思います。

研修カリキュラムを作りこむ

研修のための準備例えば、マナー研修を行うとしましょう。

マナー研修は、定型的な研修として一般的ですから、すでにカリキュラム(普遍性のある研修内容)が出来上がっていることが多いです。

しかし、自社の特殊性を考慮すれば、マナー研修で重要視する項目や全く無視してよい項目などが存在するはずです。来客の必要性が低い会社であれば、電話応対を重視して手厚く指導してもらった方が良いでしょうし、エレベーターを用いて来客案内を行う会社ではEV案内時のマナーなどの教育が必要です。

電話オペレーターのマナー教育であれば、重視する項目としては電話の掛け方・受け方・話し方でしょう。ところが、一般的なマナー研修のカリキュラムでは、名刺交換や来客時の対応などが組み込まれています。

これらは知っていて損はありませんが、あくまで電話オペレーターの質的向上を重視するならば重要視に乏しい内容です。研修会社の担当者との打ち合わせ位のなかで、オペレーターに必要な部分のマナー項目にかけるウエイトを大きくし、不要な部分は削除していく必要があります。

これが、研修カリキュラムの作り込みという作業です。

カリキュラムの作り込み・精査については、幾度ものやり取りが必要となるケースが多いです。

必要に応じて営業担当者だけでなく講師もを呼ぶことで、双方に納得がいく打合せを行うようにしたいところです。(このような打合せに伴う日当や交通費をどちらが負担するのかは予め決めておきましょう)

研修会社によっては、打ち合わせ回数の上限などを決めているところもありますが、できるだけ多くの打ち合わせを行っておくと検収当日を安心して迎えられることになります。

教材のチェック

研修カリキュラムが決定すると、研修教材が出来上がってきます。

要望すれば事前に見せてくれることもありますので、依頼した内容が含まれているかどうかを確認すると良いと思います。管理人の経験だと、テキストなどの教材チェックまで行いたいという申し出があったのは、過去に数件しかありません。

テキストに興味がないわけではなく、企業の担当者からすれば、どのような研修に仕上がってくるのか、当日を楽しみにしている人が多かったです。

テキストに打ち合わせた内容が反映されていないとしても、焦らないでください。

講師によっては、重要な箇所はメモを取らせるために敢えてテキストから省いたり、進め方の都合など何らかの意図があってテキストの内容を構成していることもあります。明らかにおかしいと思える内容の教材(資料・レジュメ)で無い限りは、講師に任せておくのが無難でしょう。

会場等の準備はOK?

忘れてならないのが会場押さえです。

大都市圏では、自前で集合研修を行うスペースを確保できる会社というのは限られているものです。多くの企業では、外部の会場を借りて研修を実施することになります。外部会場は、時期的に混み合うことが多く、特に新入社員研修など特定時期に集中するようなものは、早めに会場を確保しておく必要があります。

都内では、研修の料金よりも会場代の高額になるということも珍しくありませんので、早め早めに動くことで研修コストを削減することができる可能性があります。会場については、「予算がない!企業研修の料金はこう値切れ」も参考にどうぞ。

研修会社と打ち合わせをして、研修で使用する備品等の準備も行います。

外部会場を借りる場合には、マイクやプロジェクターなどは別途レンタルが必要になるなど、機材に関する規定を確認しておきます。特に、プロジェクターを使う場合には、パソコンとの接続が必要になりますが、パソコンは誰が準備するのか、また、パソコンとプロジェクターの接続トラブルは頻繁に起こりますので、事前に接続方法なども打合せしておくことをおすすめします。

また、大きめの付箋や模造紙、マジックなどが大量に必要となる研修もあります。これらの消耗品は、近所の文房具店で購入しようと考えていても、すぐに入手できるとは限りません。

早めに何が必要になるのか数量も含めて確認し、準備に着手すると良いです。

少なくても1回は講師と対面しておく

遠方の講師を依頼する場合には難しいでしょうが、講師と会うことができる距離にならば、一度は面談ををしておきたいところです。

直接的に講師に対して、自社の研修に対する意図や狙いを伝えておくことで、講師は状況を的確に把握し、情熱・熱意を持って研修を担当してくれるはずです。

プロの講師であっても、担当者も会場も当日になって初めて会う・行くような状況では、緊張感が高まり、最高のパフォーマンスを発揮できないかも知れません。優れた講師になると、事前に研修会場を下見して進め方のイメージどれーニングをするぐらいですから、講師と事前接触は結構重要なのです。

講師も時間を切り売りしている職業ですから、それほど大きくは時間が取れないかも知れません。時間の長短は抜きにして、短時間でも良いので顔を合わすことによって、お互いに安心して当日を迎えることができるのです。

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