研修会社のタイプ別に料金を比較しています

相場を掴む

社員研修の料金(価格・費用)については、一定の相場は存在するものの、研修会社のタイプによって一定の傾向が見て取れます。そこで、研修会社別に、傾向としての価格帯を紹介しておきます。

1.研修専門会社

企業研修の費用を知りたい社員研修を専門に扱う会社を、社員研修専門会社と呼んでいます。

企業向けの研修を専門的に行っているだけあって、価格体系がしっかりと存在し、それを対外的に価格を含め明示している場合も多いです。その意味で、値段に対して不透明感が漂う業界内にあって、透明感がある存在とも言えます。

平均相場は、1日20万円です。内容や講師によって、15万円から40万円の幅があります。

4つの類型で比較すると、低価格に分類されます。低価格での実施が可能となる理由は、長年の実績により標準的な教材が既に確立されていること、在籍する講師が研修を実施するため変動費(人件費)が生じないこと、常に研修を行っているため薄利多売型でも収益性を高められること、などがあります。

しかし、研修専門会社であっても、特殊な内容の研修になると、提携関係にある外部の研修講師に依頼をすることになり、割高になるというケースもあります。

研修専門会社が価格面でその強みを発揮できるのは、「新入社員研修」や「コンプライアンス研修」など、どの企業でも同じ内容(既存のプログラム)で行う研修内容の場合、ということになります。

また、研修営業を専門に行う担当者が存在しますので、長期的なパートナーシップを構築し、継続的な研修を行うという面では向いています。毎年の新入社員研修や、定期的なリーダー研修を毎期継続的に行う場合などは、実施時期や価格面で融通が利きやすいというのは事実でしょう。

2.経営コンサルティング会社

経営コンサルティング会社といっても、大きく2つのパターンがあります。

1つは、コンサルティング会社の資本に着目したものです。外資系の経営コンサルティング会社は、ステータスを基準に研修価格(パフォーマンスチャージ)が決定しますので、通常は1日あたり50万円から100万円がチャージされます。有名コンサルティング会社としての看板料が乗せられているイメージです。

国内のコンサルティング会社であれば、1日20万円~40万円程度です。ただし、新入社員研修のような定型的な研修を行うことは少なく、依頼する企業もありません。コンサルティング的な要素の色濃い、例えば、中間管理職向けの「経営計画策定研修」や、課題解決を前提とした「営業力強化研修」などが該当します。

もう一つは、コンサルティング分野に着目した分類です。コンサルティング会社というと、「経営コンサルティング」をイメージしやすいですが、実際には「人事コンサルティング」や「能力開発コンサルティング」といった、社員の採用や能力向上を前提としたコンサルティング会社も存在します。

人材に関するコンサルティング会社の場合には、「研修専門会社」に近い条件で企業研修が行われることが多いです。経営コンサルティング会社の場合には問題解決や課題実現としての内容が大半ですが、人材コンサルティング会社の場合には能力向上に関する内容が多く、「アイデア発想研修」や「仕事力向上研修」など、人材育成としての観点からの内容となります。

人材系と経営系のコンサルティング会社では、その提供内容に差異はありますが、人材系の方が研修専門会社に近い予算感のため、若干割安ということが言えるでしょう。

3.教育関連会社

教育会社(各種学校)は、資格学校などの経営が事業の中核となっています。そのため、企業向けの社員研修はいわばサブ事業ということになります。

特定の資格試験合格に向けた講座を研修の一環として行うことが多く、価格は「1名あたりの受講料×受講人数」というケースが基本です。従って、10万円の資格取得講座に10名を受講させると100万円ということになります。

1日あたり20万円という研修相場からすると随分、高額なイメージを持つかもしれません。しかしながら、資格試験講座は、数日間で終わるものではなく、1人あたり10万円の講座であれば受講期間は週1~2回のペースで3ヶ月から6ヶ月程度の期間を要する、長期的な研修です。また、極めて専門的で、かつ、合格に特化した内容という特殊性を踏まえれば、受講生数によって積み上げられた受講料も必ずしも高額であるとはいえません。

人材育成を投資面からアプローチすることができる企業のみが依頼できるスタイルというのも事実でしょう。

4.個人講師

個人研修講師の場合は、良し悪しは別として研修の価格体系は存在しません。もちろん、ホームページなどでは基本価格○○円と明示しているケースもありますが、通常は「詳細はお問い合わせください」という但し書きがあり、個々に内容や金額を決定するということになります。

もちろん、人気の講師ともなれば、1日100万円ぐらいの講師料は必要となることがあります。(芸能人や著名人に講演を依頼する場合、通常2時間程度で50万円という相場があります。したがって、1日あたり100万円というのは、芸能人とほぼ同水準に匹敵する料金です)

逆に、知名度も低い個人講師の場合には、1日1万円でも引き受けてもらえる場合があります。特に、実績を積むことを優先している駆け出しの新人講師にとっては、価格はあってないようなものなのです。個人でスケジュールを管理していることから、暇な時期に依頼があれば安くても受注するし、忙しい時期であれば高くないと受注しない、と言うような時期によって価格を変動させている講師も存在します。

通常は、1日あたり10万円程度が相場だろうと思います。研修専門会社と比べて安いのは、営業担当者の人件費や事務機能に対する固定費負担がないことが理由です。

 研修内容と料金変動の関係

効果を上げる研修メソッド

人事担当者必見のレポート
 

新入社員を辞めさせない技術

新入社員が辞める理由を詳細解説
 
Page top icon