この方法で新入社員を戦力化せよ【解決策・方法】

戦力化に成功した企業の事例紹介

課題が明らかになれば、後は解決策とその方法を考えればよいわけです。

まずは、事例から学べることが多くありますので、私が実際に新入社員研修を行って大きな成果を残したケースをいくつか紹介してみます。

住宅メーカーのケース

新入社員の即戦力化法新入社員研修の中に、コミュニケーションを高めるカリキュラムを盛り込んだ事例です。

具体的には、コミュニケーション検定試験をベースに、コミュニケーションの理論的な背景を学習し、かつ、仲間同士の交流を深めるためにロールプレイングも多用しました。

難しいことではなく、ゲームをしたり、グループに分けてアイディアのディスカッションを行うなど、まずは新入社員同士の絆や協調性を高めることを目的としました。

二日間の研修予定であったため、二日目の最後でコミュニケーション検定の試験を行うようにしたところ、一日目の夜には、新入社員同士が自主的にホテルで勉強会を開催。皆で教え合うという風土が生まれ、結果的に検定試験には全員が合格し、コミュニケーションスキルを身に付けた新入社員は、入社から四年が経過した今でも一人も欠けることなくお互いに助け合って業務に励んでいます。

航空関連会社のケース

そもそも、在籍している社員同士のコミュニケーションが取れていないため、連絡などやり取りの不備からクレームが多発していましたた。そのため、新入社員研修とは全く関係なく、全社員でコミュニケーションを高める研修を実施しました。この結果、研修を通じて異なる部署間での意思疎通も可能となり、業務効率が改善、顧客からのクレーム減少し、活気ある社風となりました。

来たる新入社員研修では、先輩社員にも多数参加してもらい、研修内で先輩社員との交流を深めるように工夫しました。

新入社員は、漠然とした不安について、実際に現場を知っており、かつ、年齢も近い先輩から直接的に生の声を聞くことで、不安が随分と解消されることになったようです。その結果、実際の現場に配属されてからも、先輩との関係は非常に良好であり、時には上長との間に先輩が入って様々なフォローを行うようになった。そのため、新入社員の離職率は半減しました。

旅行代理店のケース

新入社員研修のプログラム内容は従来とそれほど変えずに実施しました。ただし、新入社員に身に付けて欲しい二つの要素である「コミュニケーション」と「ビジネスマナー」は重点的に行っています。

この会社では、フォロー研修を重要視したのです。つまり、最初の新入社員研修では最低限の知識をしっかりと押さえることを重視し、それ以外は現場で覚えてもらうことを徹底したのです。この場合、全社を上げてのフォローが重要になりますので、配属から一ヵ月後にフォローアップ研修として、悩みや疑問を解消する場を設け、三ヵ月後にも同様の機会を設定しました。

このフォローアップ研修で中心的な役割を担ったのは、先輩社員と新入社員の上司です。自分たちが率先して新入社員の抱える悩みや疑問の解決にあたるようば機会を意識的に設けました。

もちろん、先輩や上司に言えない内容も多いことから、私もそこに加わり、第三者の観点からもフォローを行ったのです。フォロー研修の後は、誰からともなく、いつも飲み会を行うのが通例となり、新入社員からはそこでの交流が楽しみという声も聞かれるようになりました。

この企業では、人事担当者以上に先輩社員が新入社員の育成に対して熱心です。それは、上長へも伝播し、人を育てるという社風へと会社全体が変化しつつあります。

 第7話:①カリキュラムは絞り込む

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