新入社員のあるべき姿をイメージする【あるべき姿】

会社側に求められる「あるべき姿」

「経営と何か」という質問はかなり漠然としたものですが、一つの見方として、「自分たちの思う方向に会社を進めて行くことである」という回答は的を射ているといえます。

だからこそ、経営には「ビジョン」や「戦略」が必要だと言われるわけです。

ビジョンにしても戦略にしても、あるべき姿(理想の姿)のことであって、これがなければ企業の経営は羅針盤を持たない航海のようなものであり、方向性が定まらず沈没してしまいます。

新入社員のあるべき姿とは企業経営において、「ビジョンの重要性・必要性」は随分長きにわたり叫ばれてきましたた。

ですから、多くの企業は経営理念や経営方針を当然のように策定していますし、人材育成目標などを掲げている企業も増えてはきています。

これらの企業では「どのような人材が欲しいのか」は明らかになっているところです。

しかし、「どのような人材を育てたいのか」という問いについては、それほど明確な答えは持っていないように見受けられます。

 「欲しい人材のイメージ」と「育てたい人材のイメージ」は必ずしもイコールではありません。欲しい人材になるためには、育てるプロセスが必要であって、育てるプロセスには段階が存在するのです。

ビジョンを明確に持つ

「欲しい人材」に社員を育成するためには、「育てたい人材」のイメージを段階ごとに行うことが必要です。

人は急激に育つものではありません。

いつまでに、どのレベルになっていて欲しいのか、段階的な育成の発想が必要となります。欲しい人材をいくらイメージしてみても、新入社員がその人材レベルに到達するためには一定の時間も必要でしょう。

その時間を考慮せずに、いきなり欲しい人材像を新入社員に押し付けても、新入社員からすれば重い負担となるだけです。

 「欲しい人材」が最終到達点だとしたら、「育てたい人材」、すなわち「どのような人材を育てたいか」は最終到達点を、より具体的に落とし込んだものであると言えます。

ある企業では、入社日の新入社員研修の際に「自社が欲しい人材」のビジョンを明確に打ち出しました。

その上で、新入社員には「皆さんには、3年後までにこのような状態になっていただきたい。だから、まずは、半年後にはこれを目指してがんばって欲しい」というように、しっかりと道筋(キャリアビジョン)を明らかにし、説明を行っています。

こうすることで、新入社員としては、自分の進むべき道が明らかにされ、かつ、目指す目標が明確になります。この結果、新入社員は半年後の目標に向けて自らの取組みを明らかにし、新入社員が一丸となってその取組みを達成すべく業務に励んでいるのです。

新入社員にとって、企業側が発するメッセージは極めて重要なもの。

特に、新入社員は社会経験も少なく、最初は全てが不安な状態で、精神的なストレスも相当なものです。このような特異な精神状態の中、単に「当社が欲しい人材は・・・」と語られるのと、「まずは、皆さんには半年後にこのような状態になっていてしい」と具体的なメッセージを提示されるのとでは、雲泥の差であるといえるでしょう。

これは、新入社員研修を実施する際のプログラム(カリキュラム)の最重要ポイントともなるため、是非押さえておいて欲しいところです。

新入社員は、初日の企業側の対応を社会経験が乏しいながらも新入社員の視点で厳しく見ています。入社後の研修のあり方次第で、新入社員のモチベーションも大きく変わっていきます。

まずは、どのような人材を育てたいのかを明確にして、それを具体的に時系列にしてみると良いでしょう。

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