新入社員研修は1度で終わらせない

現場に出てから初めて分かることも多い

新入社員研修は、社会に出る上で最低限の知識を教える場です。

いまだ現場に出ていない状況では、指導する内容も限られてきます。

新入社員研修は「フォローアップ」が重要となります。

現場に出て気付いた疑問や悩みを解消する場を、会社がしっかりと先を見越して用意するわけです。

これを、フォローアップ研修(FU研修)と呼んでいます。

新入社員研修は複数回がベスト実は、このフォローアップにこそ新入社員が会社に定着するための鍵が隠されています。

フォローアップの最大の目的は、新入社員の「ガス抜き」効果にあるのです。

新入社員は慣れない現場で叱咤激励を受けながら、日々の業務をこなしていくことになるわけですが、最初の一ヶ月を過ぎた頃が、理想と現実のギャップに気が付く時期なのです。

そのような、新入社員の精神状態(心の移り変わり)を読みながら、ガス抜きを行ってやるのです。

ガス抜きは、できれば我々のような外部の講師が最適だと考えられます。

人間は、自分にとって害のない第三者には心を開きやすいという傾向にあります。

もちろん、全く知らない人にすぐに心を開くことはないかもしれませんが、新入社員研修時に登壇した講師であれば、共に厳しい研修時間を共有した仲間となっています。

実際は、そのように我々が研修時に仕向けるわけなのですが、いずれにしても一ヶ月の間に溜まったガスを抜くことが重要です。この点、最初の新入社員研修で新入社員と講師の信頼関係を強固に築いておく必要があるといえます。

新入社員は溜まったガスの矛先を、自分ではなく自分の会社に向けることが分かっています。

我々はその矛先を軌道修正しながら、適切にコントロールをしていくわけです。これは非常に重要な作業であることが分かり始めているため、最初の新入社員研修よりもフォローアップに力を入れている企業は増加傾向にあり、そして、軒並み大きな成果を残しています。

新入社員研修に必要なタイミングとは

フォローアップの実施まで含めて考えた場合、新入社員研修にはタイミングが重要となります。

一般的な新入社員研修は、入社日以降直近に行う研修を指しています。

しかし、新入社員を辞めさせることなく戦力化するためには、新入社員が現場に入ってから数ヶ月経った後のタイミングで行う研修の方がよほど重要なのです。このタイミングで研修を行うかどうかで、新入社員の定着率は大きく変わることになります。

通常であれば、一ヵ月も会社で過ごせば良い面も悪い面も含めて全体像が見えてきます。

新入社員からすれば、本当にこの会社に入社して良かったのだろうか、と疑問を抱く時期が「1ヶ月後」でもあるのです。

これは、いくらコミュニケーションが円滑に取れていても避けることのできないことなのですから、それをしっかりと受け止めて、軌道修正を促すことがフォローアップの目的となります。

先輩や上司が行っても良いですが、第三者が行った方が、より現状を客観的に把握することができるようになります。ここで得た情報は、実は使い道があります。

私はここで得た情報を全て企業にフィードバックし、現場や人間関係の改善に役立ててもらっています。つまり、新入社員のフォローアップ研修を行うことで、職場の問題や改善点などが見えてくると言う副産物も得られるというわけです。

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