がんばったら誰でも評価されたい

評価する仕組みは、給料アップだけではない

社員研修の成果を最大限上げるためには、がんばった社員をしっかりと評価することが重要になります。

目標設定にも関連してくることですが、目標を達成するためには、目標を達成した者を報いるということも考えておく必要があります。

社員研修と評価の仕組みこんな不景気にそう簡単に給料は上げていられない、と言われてしまいそうですが、なにも給料を上げることだけが評価する仕組みという訳ではありません。

人間は一部の人を除けば、お金だけが全てではありません。

「自分はしっかりと評価されている」ということを体感できるように、自尊心をくすぐることが大切なのです。

、簡単に言えば、「しっかりとあなたのがんばりを見ていますよ」ということを明確にすることが必要になります。

しっかりと社員のがんばりを見ている。こんな当たり前のことが社員のやる気を引き出し、驚くほどの大きな成果を上げる要素なのです。

実際に私が行った具体例を紹介します。

各社とも独自の評価制度を用いて、上手く社員のやる気を引き出しているのが分かると思います。

ファーストフードチェーンの事例

あるファーストフードチェーンでは、研修後に独自の社内試験を設定しました。この社内試験に合格すると、独自の「コンシェルジュ」の称号がもらえるのです。

この称号は、役職とは関係なく、そして給与とも無関係なもの。

しかし、この称号を得ることで、金できらめく特製のコンシェルジュバッジが与えられるのです。これが社員の間ではステータスとなり、こぞって皆で勉強をして社内試験を受けるようになりました。

最近では、さらに上を行く「マスター」の称号を設定し、難易度の高い研修を実施しているのですが、驚くほどに社員が熱心に研修を受けています。

コンシェルジュバッジを付けた店員は、自信満々にお客様と接し、このバッジが縁でお客様との関係性を深めるようになっています。

美容院の事例

大手の美容院。接客研修の後、社内で指名グランプリを行いました。

指名グランプリと言うのは、一定期間で多くのお客様から指名を受けた美容師を、店内に顔写真付きで掲示すると言うものです。

指名数が最も多い美容師から順に上から掲示される仕組みです。お客様からすれば、順序がお店の美容師の腕前や人気度を表わすと判断することになりますので、美容師も上位を目指して真剣になります。

ホストクラブなどでは人気ホストほど大きな写真で、かつ一番目立つ上に掲げてあります。あの心理を利用したところ、社員間で写真の順序がステータス化し、皆で上を目指すように接客に力を入れるようになりました。

最近では、店長自身の座も危ういということです。

広告代理店の事例

広告代理店では、営業研修後に社内表彰制度を導入。

広告代理店は上役ほど大口の顧客を抱えている傾向にありますので、新規顧客の開拓に絞って売上向上を競いました。

一位には最新のノートパソコン、二位には家族と行ける高級レストラン食事券、というように順位に応じた特典を準備しています。一見、大したことのない特典に思えますが、意外にも効果があり、休日を返上してまで新規営業に出かけるようになりました。

現在はこのイベントが社内に定着していて、次はいつ?という質問もあるということです。同社では、新規で獲得した顧客が既存顧客として定着した頃を見計らって、上手く社内表彰制度を繰り返して売上を継続的に拡大しています。

あなたの会社ならどのようなものが考えられるか

このような事例は、社員をしっかり評価するという企業の姿勢を具体的に表現したものです。

評価というのはお金だけではないことが良く分かる事例です。あなたの会社がお金に余裕があるのであれば給与に反映させても良いでしょうが、大切なのは、しっかりと評価の仕組みを事前に用意しておき、実際に機能させることにあります。

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