成果の見えない社員研修
上司とのやりとり
あなたの上司
「ところで、例の社員研修はどうだったね?」
あなた
「はい。スケジュール通り無事終了しました。」
あなたの上司
「そうか。で、研修の成果はどうかね?」
あなた
「はぁ、まあ・・・。成果と言われましても・・・」
研修の成果を見えるようにするためには
よく見掛ける光景です。
ひょっとしたら、あなたも経験があるかも知れません。企業からすれば社員研修には大きなコストを掛けているのだから、何らかの成果を要求するのは当然のこと。
社員研修を行った結果、大きな成果を残すことができれば、それは費用ではなく投資として捉えることができるのですが、成果のない研修であればそれは単なるコストでしかありません。
「社員研修は役に立たない」という発想は、そもそも成果が見えないからなのです。
そのため、研修費用は見えないコストとして計上されることになります。ところが、社員研修を行うために掛かっている費用とは、実は莫大なものなのです。
一口に研修費用と言っても、研修に掛かる準備費用から、外部に依頼した場合は研修講師の謝金もあるわけです。
それ以上に大きいのが機会費用です。
機会費用とは、仮に研修を行っていなければ得られたであろう利益を費用として捉えるもので、営業担当者を例にとると分かりやすいでしょう。
営業担当者が一日当たり百万円の売上を上げているとしたら、研修を行うことによって研修費用に加えて、本来売上となるはずの百万円も費用に含まれることになります。
そう考えますと、研修費用というのは極めて莫大な費用だということが分かると思います。
にも関わらず、研修による成果が明確に得られないとしたら、それは無駄以外の何者でもありません。
では、いったいなぜこのようなことになるのかと言うと、答えは極めて単純です。
「研修の目標を明確にしていない」からです。
重要だからもう一度繰り返します。
「研修には目標設定が必要なのです。」
信じられないかも知れませんが、目標設定をせずに社員研修を行う企業が非常に多いのです。むしろ、しっかりとした目標を持って研修を行っている企業はほとんど見当たりません。
これでは、成果が上がっているのかどうかを確認すらしようがないです。
こんな当たり前のことが多くの企業で出来ていないのです。極端な言い方をすれば、気休め程度に研修を行っていたり、そもそも成果を期待していないと言われたりしても反論のしようがないのです。
その結果、研修は役に立たない、という発想になってしまう。これでは、役に立たなく当然だと言えます。