新入社員研修は一回で終わらせない -新入社員研修の実施ポイント(3)

 現場に出てから初めて分かることも多い

新入社員研修は、社会に出る上で最低限の知識を教える場である。そもそも、現場に出ていない状況では指導する内容も限られてくる。

新入社員研修はフォローが重要となる。つまり、現場に出てようやく気付いた疑問や悩みを解消する場を会社がしっかりと用意するわけである。これを、フォローアップ研修と呼んでいる。

実は、このフォローアップにこそ新入社員定着の鍵が隠されている。フォローアップの最大の目的は、新入社員の「ガス抜き」効果である。新入社員は慣れない現場で叱咤激励を受けながら日々の業務をこなしていく。最初の一ヶ月を過ぎた頃が理想と現実のギャップに気が付く時期でもある。そのような、新入社員の精神状態を読みながら、ガス抜きを行ってやるのである。

このガス抜きは、できれば我々のような外部の講師が最適である。人間は害のない第三者には心を開きやすい。もちろん、全く知らない人にすぐに心を開くことはないが、新入社員研修時に登壇した講師であれば、共に厳しい研修時間を共有した仲間となっている。実際は、そのように我々が研修時に仕向けるわけであるが、いずれにしても一ヶ月の間に溜まったガスを抜くことが重要である。

新入社員は溜まったガスの矛先を自社に向ける。我々はその矛先を軌道修正するわけだ。これは非常に重要な作業であり、最初の新入社員研修よりもフォローアップに力を入れている企業は軒並み大きな成果を残している。

 新入社員研修に必要なタイミングとは

その意味で、新入社員研修にはタイミングが重要となる。一般的な新入社員研修は、入社日以降直近に行う研修を指す。しかし、新入社員を辞めさせることなく戦力化するためには、新入社員が現場に入ってから数ヶ月経った後のタイミングで行う研修の方がよほど重要である。このタイミングで研修を行うかどうかで新入社員の定着率は大きな変わる。

通常、一ヵ月も会社で過ごせば良い面も悪い面も含めて全体像が見えてくるもの。新入社員からすれば、本当にこの会社に入社して良かったのだろうか?と疑問を抱く時期でもある。これは、いくらコミュニケーションが円滑に取れていても避けることのできないことである。それをしっかりと受け止めて、軌道修正してやることがフォローアップの目的である。もちろん、先輩や上司が行っても良いが、できれば第三者が行った方が、より現状を客観的に把握することができる。

私はここで得た情報を全て企業にフィードバックし、現場や人間関係の改善に役立ててもらっている。すなわち、新入社員のフォローアップ研修を行うことで、職場の問題や改善点などが見えてくると言う副産物も得られるわけである。