新入社員研修は他の社員を巻き込む -新入社員研修の実施ポイント(2)

 新入社員研修の場は企業全体が成長する場

新入社員研修は、新入社員だけのものではない。実は、先輩社員や上司を教育する場でもあり、その意味でも全社を上げての一大イベントなのだ。

中でも先輩社員は新入社員と年齢も近く、新入社員からすれば最も頼りやすい相手となる。先輩からすれば、今後後輩や部下を持つ上で人を育てるということを学ぶ場とすることもできる。新入社員と先輩のコミュニケーションを新入社員研修で深めておくことは大変大きな意味を持つ。コミュニケーションの指導を行う際に先輩社員を動員することを、私は新入社員研修の際に必ず行うようにしている。

また、上司となりうる人物や役員クラスについても、例えば研修最後の打ち上げ(決起集会)などには積極的に参加をしてもらうのが良いだろう。その場では不完全ではあったとしても、少しでもコミュニケーションを取ることが出来れば、新入社員が現場に配属された際に何も知らない状態ではなくなるため、新入社員も居場所を見つけやすい。お互いの名前を感覚的に把握するだけでも意義は大きい。

私は、上司などとの打ち上げの際には、大きな声でしっかりと挨拶をするように新入社員に指導を行っている。まずは自分から挨拶を行うと言う礼儀はもちろんのこと、上司クラスも大きな声で挨拶をする新入社員を見れば、「今年の新入社員はしっかりとしている」という認識を持つことになる。

その結果、研修終了後も円滑にコミュニケーションが進むことが多いようだ。上司とて結局は人である。相手が積極的にコミュニケーションを取ろうとしているのに、理由もなく拒むことは難しい。この心理を利用して、上手くお膳立てするのが我々研修講師の仕事でもある。

先輩も上司も日々の業務に追われて忙しいのは重々承知しているが、新入社員研修の時ぐらいは、自分の新入社員時代のことを思い出して積極的に参加を促すようにしたい。そのような意見を受け入れない社風であったとしたら、新入社員が辞めてしまう根本的な原因は会社にあると疑って間違いないだろう。

新入社員研修に他の社員が参加する意義は、既存社員にとっても、新入社員にとってもとても大きなメリットをもたらすことを再認識して頂きたい。